2005.05.18 Wednesday

明日、情報基盤センター第一会議室で、私の話

総合理工の三好先生のご厚意で、研究の話をする機会を頂きました。内容は以下の通りです。お暇な方は、どうぞ。

第19回理論化学研究会
講演タイトル:「非断熱遷移を利用した分子設計」
講 演 者: 南部伸孝 助教授(情報基盤センター)
日   時: 5月19日(木)午後5時より約1時間程度(予約は6時30分まで)
場   所: 箱崎キャンパス、情報基盤センター5階、第一会議室

第19回理論化学研究会要旨:
量子力学の発祥からトンネル効果は有名な量子力学現象として重要視され、多くの研究者を魅了してきた。しかし、主な研究対象は単一断熱ポテンシャル上での過程であった。実際には、二つ以上の断熱ポテンシャルが近接していて、非断熱トンネル現象が生じている場合も多いと思われる。一方我々はこれまで、一次元非断熱トンネル型交差二準位ポテンシャルを仮定し、このユニットを複数個並べた系を取り上げ、この系に特徴的な現象である完全反射及び完全透過現象を利用した分子スイッチの可能性を追求してきた。[1-4] 特に、完全反射現象は新奇な現象であり、断熱トンネルとは全く異なった透過確率をもたらす。本研究では、この特異な現象を積極的に利用し、カーボンナノチューブによる水素吸蔵へ応用ができないかと理論的探索を行っている。本講演では、その途中結果も含めた最新の理論結果を基に原子分子の捕捉制御(内包や透過)の可能性を、できれば実験家の方々と大いに議論したいと願っています。
参考文献
[1] Nakamura, J. Chem. Phys. 97, 256 (1992); [2]Nanbu, Nakamura, Goodman, J. Chem. Phys. 107, 5445 (1997); [3]Nakamura, J. Chem. Phys. 110, 10253 (1999); [4] Nakamura, “Nonadiabatic Transition” World Scientific.
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