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2017年度 物質生命理工学科コロキウム

惑星大気における光化学
Sebastian Danielache 先生(上智大学理工学部物質生命理工学科 准教授)

日時/場所 2017年11月24日 (金) 17:00-18:15 6-403

詳細

 本学科のSebastian Danielache准教授に、以下の内容でご講演いただきます。皆様お誘い合わせのうえご参加ください。
*申込不要・参加無料・学生、学外の方の聴講歓迎

惑星大気における光化学
Sebastian Danielache 先生(上智大学理工学部物質生命理工学科 准教授)

大気中の分子は常に変化しているが、長期的に組成の濃度がほとんど変化しない理由は、生成と消滅過程の「バランス」である。この「生成-消滅バランス」状態は濃度の変化はないが、非平衡状態である。この状態をつくる原因は光化学反応と生物の活動である。これまでの惑星大気モデルの光化学の計算方法は、現在の地球大気を中心として開発されてきた。現在の地球では、成層圏の酸素⇔オゾンの循環サイクルによってほとんどの紫外線が吸収されているため、対流圏にわずかの紫外線しか届かない。しかし、OHラジカルの生成に重要な役割をもっているため、紫外線は対流圏化学にも重要な役割を持っている。つまり、現在の地球では、紫外線と光化学はO2,O3,H2O,OCS,NO2によって決められているが、地球の過去や太陽光系内外の惑星では光化学は他の組成分によって決定されている。これらの惑星の光化学を定量的に理解することによって大気の進化や組成分について情報を得ることができる。このため高精度の紫外線吸収スペクトルのデータが必要とされるが、測定の困難や他分野の情報が欠如しているため、精度の低さやデータの不足が課題である。私の研究テーマは第一原理計算や新技術を真空分光測定器に適用することによって、これまでに発表されていないデータを作成し、惑星大気化学や大気組成の定量化に貢献することである。

本件に関するお問い合わせは、コロキウム委員(内田、鈴木(伸))までお願いいたします。

ポスター